夏目友人帳(4)

夏目友人帳 4 (花とゆめCOMICS)

夏目友人帳 4 (花とゆめCOMICS)

ああんもう好き!L・O・V・E!!
……と、とっても気持ち悪いラブコールから始まってしまいました。
背中から落ちるにゃんこ先生とか、温泉卵にはしゃぐにゃんこ先生とか、一番風呂で優雅に泳ぐにゃんこ先生とか、ムートンおざぶをねだるにゃんこ先生とか、レンゲ畑ではねまわるにゃんこ先生とか!!
あの愛らしいお姿を見れるだけでもこの作品に価値あり!!!!!!!
………………。すみません、にゃんこ先生の余りの可愛らしさにちょっと本意ではない描き方にさえなってしまいました。
確かににゃんこ先生は可愛い。あの愛おしさだけでご飯三杯はいける。
でもそれ以上にやっぱり話に魅せられます。
本屋で見るPOPに「今一番泣ける少女漫画』とか書かれていると、ちょっと殺意芽生える程(落ち着け)
確かに泣けるさ! 否定はしない!! だがな、泣けるってのはそんな浅い煽り文句に使う為の言葉じゃねーんだ!!
『泣ける漫画』で片付けるなんて思考停止も良い所だ!! むしろこの作品に対する侮辱だ!!
と、私が熱くなってこんなアレな感想書いても仕方ないんですが、ね。
どう見たって『泣かせよう』と描かれてる漫画じゃないの。いかにもな「ほらほら泣けるでしょ」とかそーゆーんじゃないの。
気付いたらじわってさせられて、いやいや泣いてどうするよ、って思わせられるんです。
こっちが切なくて泣きそうになっても、夏目は笑っていたり、気丈に振る舞ってる訳ですよ。
なんかね、すごい励まされる気がする。
夏目は大層な格言残したり、凄い熱血ヒーローとして君臨してる訳でも、万能主人公でもない。
でも、凄く懐が温かくて、こっちの気持ちを穏やかにしてくれる。
言葉で大いには語らず、行動で、態度で空気を緩やかにしてくれる。
地味と言えば地味なタイプなのかもしれませんが、夏目程、ただそこにいるだけで主人公然とした主人公は、かえって珍しいかもと思います。
希有な存在。