皇国の守護者(4)
- 作者: 伊藤悠,佐藤大輔
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/11/17
- メディア: コミック
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……すみません、いきなり巻末に心を馳せてしまいました。
東方辺境領姫可愛いよ東方辺境領姫(長ぇ)
しかしあのゴツイムサイ軍人に囲まれて一緒に「シツジキッサ!」と叫んでみたいものです。
メレンティンが執事なら通いますよ私。
それはさておき、後書きとは正反対のシリアス展開な本編。
北領での撤退支援戦闘での主要人物が続々といなくなって、原作読んでるので全部知ってるのですけれど、
それでもここら辺りはかなりキましたね。キツいなぁ。
しかしこの漫画は素晴らしい原作とは別腹で楽しめる、本当に希有な作品ですね。
原作ありきの物語と知っていても、この漫画で読む時には、
新しい物語を見せられているような錯覚に陥ります。
オリジナルを生かしつつ、漫画の利点を最大に生かしていて、
また複雑な内容も分かりやすく描いてくれるので文章が苦手な人にはもってこいですよね。
あと一回一回のヒキが凄く上手いなぁと毎回感嘆します。
どう考えたってそこ物語的に盛り上がってる所じゃない、ていう感じのヒキでも、
コマの見せ方が上手い所為か、非常に引き締まって見えます。
特に漆原のモノローグ、この章のタイトルでもある「許容もなく、慈悲もない」
という台詞で終わるシーン。
あそこで終わって中途半端に見えないのが凄い。
しかし巻末は…あれはあれで凄い焦らしなのかなぁ(苦笑)
あの続きを知っているものとしては、よくこんな所で物語を次号にまわせるなぁと思いますが。
でもきっと上手い事冒頭で結論だしつつ話を続けるんだろうな。
原作を理解し、自分の物にしつつ、独り善がりにならない、他者にも面白い作品を描く。
そういう、原作が好きな人にとっては一番要求したく、且つ得られないものがこの作品では得られます。
これはあらゆる原作を別媒体に移す二次創作の中で常に求められている事ながら、
ほぼ全てがその要求を裏切り続けている中で、本当に快挙だと言えると思います。
漫画として面白く、原作もまた面白いのにそれとは違う面白さもある。
もう内容にいちいち突っ込んでまで絶賛する必要もない気がします。
原作もここら辺りは本当に面白過ぎたので、これを漫画にして遜色ないものを描いてるだけで凄過ぎです。