デスノート
DEATH NOTE dead or alive ~映画「デスノート」をアシストする特別DVD~
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2006/11/22
- メディア: DVD
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以前に感想書いているので多くは書きませんが、前回見た時よりも月が小物に見えました。
ていうか、卑怯に見えたのかなぁ……。
デスノートを使うことになった事の発端とか、理由とかも釈然としなくって。
映画では、司法試験にも受かって、本当に正義の道まっしぐらだった月が、
法の下の裁きでは、本当の悪人は裁けないと絶望した所にあのノートを手に入れて、でしたが、
原作のライトのデスノートを使い始めた理由って、もっとくだらない事だったと思うんです。
それこそリュークと一緒で、世の中に飽いて来た所に、思わぬ物が手に入って、
ちょっとした憂さ晴らしだったというか。
勿論悪人を懲らしめたいという気持ちはあったと思うんですが、
映画版の月のような切迫した物じゃなくて、天才の自分ならなんとか出来るんじゃないかと、
丁度良い物も手に入った事だし使わない手はない、っていうのみたいな。
だから世の中を良くするというのは副次的な理由で、先ず自分自身の退屈な日常を
なんとかしたかったんじゃないかなーて。
最強の好敵手を失ってからメロ達に会うまで、それなりの達成感はあっても、
多分物足りなかったと思うんですよね、月的に。
で、そういう変に正義感振り回してない月だったからこそ、この漫画って面白かったんです。
本人は一応正義名乗ってるけど、その正義自体おかしいし、元々の動機は不純なのね。
だから他人が見たら月の言ってる事はおかしいわけで。
本人が自信満々に正義をふりかざす程滑稽さは増す訳でしょう?
でも映画だとそうはならないのよね。
現実の無力さに絶望した月が、デスノートを逃げ道に使ったようにも見えるんです。
あと真面目一辺倒の人間がドロップアウトして、死神のノートを使う殺人鬼になるってのは、
お話的にも奇麗事過ぎるというか。
遊び半分の月の手のひらで踊らされてるからこそ、にやにやして読めるんですよ。
月達のやってることは外見には事件だけれども、本人にとってはゲームでしょう?
そういう前提があるからこそデスノートって面白いのだと思います。
ま、なんとなく遊び半分だと各所から文句出そうって気もしますけどね。
そういえばこれ、『死帳』とかって、中国でも論争にもなりましたものね。
でも物語として面白さを追求したら、優等生のドロップアウトなんてつまらんよ。
漫画の内容にそういう道徳観念持ち込まれるのは毎度なんだかなぁって気持ちになります。
今回映画化の際、月にああいった動機付けをしたのが斯様な理由だったとしたら、
それは確かに一部の世間の反感を買わずに済むような適切な判断だったけれども、
映画としては全体のクオリティを下げる事になったんじゃないかなと思います。
何にせよ、原作のデスノートとは楽しみ所が違うとしか思えないし、
そうして観た方がこの映画は面白いのだろうなとも。
色々勿体無い。
後編は……どうしようかなぁ、デスノファンの反響待ちかな?