ペルソナ3 総評

ペルソナ3

ペルソナ3

5点満点で大雑把に評価していきます。

グラフィック……4
概ね良し。
数多くのグラフィックがありましたが、人数が多いにも関わらず表情、服装共に、
会話に違和感を感じないほどにはパターンが用意されており、その全てがきれいでした。
(ストレガの三人や荒垣については季節感がなさ過ぎた気もしますが、
「そういうキャラだ」と言われればそういう気もしますしね)
戦闘時の3Dも若干カクカクはしていましたが、勝利ポーズや攻撃時の動きのバリエーションなどが
豊富で見ていて飽きさせない演出が多く、特にクリティカルヒットの時の一連の動作は
FF7のティファの攻撃が綺麗に決まったときのような気持ちよさがありました(笑)
一方2Dアニメーションに関しては、多分殆どの方が同様に感じたでしょうが、少々へぼいです(笑)
というか、場合によってはキャラクターたちの顔がえらく変わってて、また立ち姿がやたらと
ぬぼーっとして見えるのも気になるんですが、逆にここはそれほど綺麗でなくてもいいかなぁ、という感じ。
ここでやたらとアニメアニメしていると、2Dと3Dのグラフィックのみでそれなりに
脳内でかたまって出来たキャラが急に生々しくなって興醒めしてしまいそうな気がするんですよ。
キャラクター以外では学園や町並みの変化。
特に月光館学園は玄関までに桜の木が続いているので四季の移り変わりが分かり易くて良いですね。
しかもその緑の変化も一ヶ月固定での変化ではなく、割とリアルな時間で変わっているのが良い感じ。
タルタロスの内部構造は一部を除いて相当好きでした。内装(?)が。


難易度……3(ゲーム総合では3.5、戦闘のみでは2.5)
RPGとしてはぬるゲーに属するだろうなぁ(笑)
時間の変遷で話は勝手に進むので、ヒントがこれ見よがしに出されるコミュ探しと、
エリザベスの依頼達成のみくらいしか発掘的な要素はないかもしれません。
戦闘はRPGをやりこんでいる人には相当ぬるいですが、割と飽きさせない作りになっているので、
ある程度はコアなRPGゲーマーにも受けると思います。
また、逆にライトユーザーには相当入り易い作りになっていると思います。
タルタロスの中ボスは上手く属性を散らしているので、満遍なくキャラクターを使うことや
主人公のペルソナをそれ仕様にする事で低レベルでも割と勝てるようになってますし、
レベルを上げれば初心者さんでも難しくはないはずです。
月一定例のボスは、レベルの見極めが難しい部分が有りますが、
タルタロスの方の攻略が終わっていれば、間違いなく勝てる相手なのでそれも心配要りません。


シナリオ……4
11月頃から唐突に物語が急展開になる為、もう少し序盤から物語そのものを進めていても
良かったような気がします。特に幾月やストレガについては説明不足の感も否めなく。
ただ、序盤ストーリーよりもゲーム自体を楽しむ余裕とキャラクターへの感情移入の時間を
与えてもらっているのも事実なので、その部分を一概に否定する気はありません。
シナリオが「完全」ではない部分は寧ろペルソナシリーズとしては正当な感じがしますし、
脳内補完が大好きな方には寧ろお薦めしたいくらいです。
大きな破綻はそうみられなかったのですが、時々他のキャラたちの間でだけ話が進むようなことがあって
(天田加入時。荒垣や真田ではなく、ゆかりとの接点がどこにあったのが気付かなかった)、
どっかで登場人物の話を聞き漏らしたのか、それとも元より「そういうことになってる」のかが
いまいち判別がつきにくい部分が有った事だけが残念。
結末や物語の相当重要な部分が殆どOPのデモムービーやOPの中にそのままであったり、
もしくは暗示的に描かれていたりして、それでも結末を上手く悟らせなかった辺りはお見事の一言です。
OP、アイギスの部分で象徴的に浮かぶ水の玉がまさかあんな意味を持ってたとは思いもよらず。
11月辺りまでの内容までは読めても、12月初旬のあれは流石に読めませんでした。
いや、ある意味過去のペルソナシリーズ考えたら予測ついてもおかしくなかったんですけどね……。


キャラクター……4.5
いやよくもまぁあんだけ色々作りましたね。基本的に皆いい子なのが良かったです(一部コミュ除く)。
見た目も性格もバリエーション豊富で、主人公は多くの人間と対話できるようになってたので
キャラクターの作りこみがしっかりしてるという意味では安心感が有りました。
特に単なる端役に過ぎない教師陣が濃くて良かった(笑)
そういえばコミュ対応キャラがそのアルカナの意味にある程度沿った状況に置かれているように
設定されていた辺りは芸が細かいなぁと。


サウンド……5
今回は多くの曲が歌入りになっているのですがそれがポップな感じのOPや絵自体に良くあっていて、
また戦闘なんかにしてもかなりいい感じ。ラストバトル辺りの音楽は相当はまりました。
今までのペルソナシリーズも好きでしたが今回がダントツかもしれません。
タルタロスの曲も全て同じながらアレンジが違い、それぞれその階層の雰囲気が良く出ていて良かったです。


操作性……4
L1L2のカメラ転換の方向に違和感を感じたくらいで割と良いと思います。
実は長らく主人公が歩ける事を知りませんでした(笑)
今も歩こうとすると微妙な速度になり妙なスキップとか、
ムーンウォークの前進版みたいなおかしな事になります。
持つ武器によって敵への接触アクションにタイムラグが出る辺りの細かさは凄いです。
初めは両手剣の感覚に慣れなくて片手剣ばっかりでした。
ロード時間が妙に長かったりした部分だけはちょっとマイナスかなー。


システム……4 
昼は学園生活、夜はタルタロス探索と目的をきっちり分けて、
学園ジュブナイルを楽しませながら本来の戦闘RPG要素をミックスした辺りは上手いですよね。
ゲーム自体のライトユーザーにも優しい設定だと思います。
しかもコミュとペルソナのレベルを連動させたのはとても面白いアイディアだと思います。
コンプリートマニアとしては全コミュマスターの目標も出来ていい感じ(笑)
武器、アクセサリー、道具も店が一つしかないので紛らわしくなく、
ただ、店に行くとき仲間の装備が見られない部分だけはちょっと痛かったです。
2周目に色々な物が引き継ぎ出来るシステムは有難くはありましたが、
ならば主人公抜きのパーティ編成が出来ると尚良かったかも。
というのも主人公がいるとどうしても戦闘がぬるくなってしまうので;
やはりボス戦にすら緊迫感がなくなってしまうのはちょっと痛いですね。


バグ……2
えーと結構初っ端に一度有りました(笑)
タルタロス内、散開した状態で仲間に話しかけられるとほぼ同時に戦闘に突入すると
そのまま戦闘中に相手が話しかけてくるように。
戦闘終了後は全てのボタンが効かなくなる為、命令や回復はおろか、階段を登る事すら出来ません。
強制リセット。ちょっと泣きたくなりました。
滅多に出ないと思うのでまぁ運が悪かったと諦めがつきますが。


総合評価……4
メガテンシリーズではライトユーザー向けと言われるペルソナシリーズの中でも、
多分最も初心者向けで、且つ間口の広いゲームだと思います。
私の中でもかなり評価高いです。何よりクリア後そのまま引き続き2周目行くのは珍しいですから。
罰で一旦学園ものから遠ざかったんですが、今回はきっちり学園ものとして復帰しており、
またそこがメインで話が進行していくので、ジュブナイルの要素が強くなってましたね。
戦闘システムで主人公しか扱えないと分かったときの失望以上に楽しませてもらった部分が多く、
まだまだ遊べそうなので嬉しいです。
ややストーリーが急展開だったり、若干の破綻した部分も「らしいっちゃ、らしい」のですが、
そのペルソナらしさが全ての人に受け入れられるわけではない、という意味でマイナス0.5点。
更に戦闘がぬるいという意味でマイナス0.5点で4点です。
でも相当楽しかったです。
ていうか今現在も遊んでます。