恋愛映画のように、は

恋愛映画のように、は (ウィングス・コミックス)

恋愛映画のように、は (ウィングス・コミックス)

久し振りの山田睦月さん。良かった−。やっぱり好きですね、この人の作品。
作品中に流れる空気っていうのか、雰囲気というのか、とにかく味があるんですよね。
切ない話も温かい話も空気が柔らかい。癒される感じがします。
「夏の声」は結構予想外の結末でした。でもあの結末が好きだな。
ありがちな主題だとは思うのに、ありがちな話だとはあまり感じませんでした。
菅野さんの原作に山田さんの作画、雰囲気的に凄くあってる気がします。
主題作の「恋愛映画のように、は」は、切なかったですねぇ。
所謂婚姻関係になるのは難しい立場の恋愛、なんですけど。
でも、凄く納得も出来たんですよね、最後。とっても淋しい感じもする結末だけど。
読み手の気持ちを置いて、主人公達は前に進んでいるので、置いてけぼり感もあります。
でもその置いてけぼり感も、悪い意味のものでは決して無くて、
主人公達はもう前を見据えて歩き始めてる、自分が悲観する事ではないのね、
とそっと教えてくれる感じがします。
二つとも明るい話とは言い難いのですが、けれど暗くもなく、
少し淋しさも漂うけれど救いはちゃんと用意されてある、と感じられる作品でした。