デス種のミーアに関して



昨日の内容に更に追記です。これだけは書いておきたい。
私は彼女が悪くないとは思いません。昨日書いたように『自業自得』だと思います。
ただ、彼女が歌姫を騙って議長の傍に居た事、そしてその行いを続けてしまったのは彼女自身の所為だけじゃなく沢山の人間が影響してそうなっている事なんですよね。
議長は首謀者なので置いておくとして、偽者ラクスを何よりも受け入れてしまったのが本来のラクスのファンであり、ザフトの人々であると云う事。
彼等の中で『偽者ラクス』は『アリ』なわけですよ。
ヨウラン達なんかに至ってはミーアの方がいいとさえ言っていました。
勿論、もしかしたらミーアを偽者だと見破った熱狂的なファンも居たかも知れません。
しかしそれも議長辺りに揉み消せる程度の小さな火種だったという事でしょう。
少なくともあの世界ではネットは普及しているでしょうし、ネット上の小さな火種は、信じられない程燃え広がるのは明白。評議会の方で全てのサーバーをダウンしたりは出来ないだろうから、書き込みをいちいちチェックして消せる程度だったという事と考えるのが自然かと。まぁそういう人間は口封じされたかも知れませんが。
要するに、『ミーアラクス』は大多数に受け入れられてしまった訳です。
で、偽ラクスは議長の戦線布告にあっさり同意しました。銃を取り、人を殺せとは言いませんでしたが、戦う意思が有る、という点に於いては明らかです。
となると、ザフトの人々は、前作のラクスの訴えの真の意味を一体どれほど汲み取れていたのでしょうか。
彼女は常に『調停』の立場に立ちたいと思っていたし、実際戦場に出てからもどちらか一方の味方につく事はしませんでした。
その、彼女の今の変化に、誰も気付いていないのは何故でしょうか。
前作のラクスの訴えは、子供の為の子守唄であり、小鳥の囀りであり、いわば耳に聞こえていても脳にその意味が到達する事のない言葉だったとしか思えません。
つまり、ラクスもまた『ラクス・クライン』という偶像で崇められていたに過ぎず、彼女自身を見ていた人はほんの一握りだった、という事ではないでしょうか。
時間が人を変えてしまった、という事にしても、それなら今の彼女の言葉には違和感を感じている人が居ても良いはず。
ラクスの言う事だから』と彼女が右を向けば右を向き、左を向けば左を向く。
そんな思考能力のない人達に崇められてしまったミーアは、勘違いだとしてもそれが嬉しくて仕方なかったんでしょう。自分の存在を認めてくれている、そう錯覚したに違い有りません。
彼女がラクスを貶めるような真似をしていると言えばそうですが、逆に言えばラクスもあっさり偽者にとって代わられる程度の影響力しか持っていない歌姫=単なるアイドルでしかないと言う事でしょう。
私から見れば、騙す方が確かに悪いけれど、騙される方にだって責任は有る。
真贋を見極められない目、思考を手放して闇雲に相手の言う事を信じる事。前にも書きましたが、言わば無知自体が一つの罪でしょ。
そんな訳で、ミーアの事が好きだった人達が、偽者だと分かった瞬間に彼女を貶したりなんかした日には自分の見る目の無さを暴露したも同然という事になります。所詮『ラクス・クライン』というブランドを見ているだけ。
そういう阿呆に囲まれちゃって勘違いしたミーアも阿呆と言えば阿呆ですが、彼女には何にも勝る『注目されたい=愛されたい』という思いがあったのでそれも仕方がないか、と思ったのです。
ふー、長い。もっと簡潔に書けないもんかね。


あ、そか。議長始めに「彼女はアイドルだからね」と言ってたっけ。
アイドル=偶像だもんな。ある意味確かにそうだわなぁ。