The MANZAI2・感想



The MANZAI〈2〉 (カラフル文庫)

The MANZAI〈2〉 (カラフル文庫)



最近あさのさん作品づいてて済みません。
でも読んだらやっぱり新鮮な内に感想を書いておかないと。(読んだの2週間前だけど)


実は後一冊、ぼくらの心霊スポットの最新刊も読んだんですけど、先日のバッテリーやNo.6を含め、ここ最近に読んだあさのさん作品の中で唯一泣いてしまったのが、意外にもこの本でした。
一番泣く所から遠い作品に思えるのだけど、時々歩達、学生の気持ちに異常にオーバーラップする所が有るんですよね。
自分も学校に行くのが本当に嫌だった時期があって、だからか主人公の歩の言う台詞に主に感情移入してしまうようです。
学校行かずに遊びたい訳じゃなくて、勉強したくない訳でもなくて、ただその場所に居るのが辛いってのはあるんですよね、どうしても。
うちの親はある意味それなりに自由にさせてくれたので私は無事(?)学校を休みがち且つ遅刻しっぱなし。授業は殆ど参加せずな状態だったりもしたんですが、なんだかんだいって、今一応職に就いて、お金稼いで食べてますしね。
大半が一過性の物だと思うんですよ。
その一時的な事を周囲が許してくれる環境にあるかどうかなんじゃないかな。
一過性でないとしたら『そうなる要素』が先天的(とは言ってもやっぱり幼い頃からの周囲の影響によってその傾向が促されてるのは否めないんですが)にあるような気がします。
でも、特に学生時分は若い多感な時期だからこそどうしても迎合出来ないところがあるんですよ。
些細な事だと分かっていても生理的に受け付けなくなるんです。
嫌だと感じるより先に身体の方が拒否反応を起こしてしまって。
登校時に止まらない吐気だとか。異常なまでの全身のだるさとか。
たるんでるからとか怠け心があるからとか、そんなもんで済ませられるんだったら、むしろ自分がそうしたいぐらい苦痛なんですよ。
友達好きだったから卒業まで居られたけど、じゃあその友達と会う為に一限目からちゃんと出席できるかと言われれば、それは別問題なんです。場所そのものに拒否反応を起こしてるのに近いので、友達が居ようが苦痛は軽減出来ないんです。
友達には申し訳ないんですが、やっぱり学校と言う所は嫌いでした。
まぁ、あの狭い空間にあれだけ多種多様な人がいるにも関わらず十把一からげに皆仲良く協力しあって、なんて無茶な事言うから破綻が生じるんでしょうね。
でも今現在も交友関係続いてる人達には会えて良かったと心底思います。
なんで友達いるのに学校いけないのかじゃなくて、むしろ友達居たからドロップアウトせずに済んだ、なんですよ私は。
おお、ものすごく本題から掛け離れた;
でも歩も今は友達が居るから学校は楽しい場所だって思える、って言ってますよね。
半分誰かさんに依存してる感じもありますが、いいんじゃないかな。歩にとって依存でも、多分秋本には重荷になるものではないと思うから。むしろ喜びそうだ。
歩は割と冷静な目を持っていて、それでいて優しい子なので、傷付く事も多いだろうなぁと思います。
でも、これからきっと強くなっていけるんじゃないかな。
周囲の人間もちゃんとそういう歩の事、見ててくれそうな気がします。
なんというかあさのさんは、本当に人間、そして子供というものを描くのが上手いと思います。
大人がこういう目で子供を見ていてくれると思うとなんだかホッとするんですよね。
物語はシンプルですが、『学校』という空間を本当にしっかりかきこんでいらっしゃると思います。
好きだなぁ、やっぱり。