NO.6 #3・感想



No.6〔ナンバーシックス〕 #3 (YA!ENTERTAINMENT)

No.6〔ナンバーシックス〕 #3 (YA!ENTERTAINMENT)



これもまたあさのあつこさんの御本。


進むかなーと思いましたけど意外と進まなかったですね、話。
でも紫苑とネズミ、ネズミとイヌカシ、イヌカシと紫苑の関係性がくっきりと輪郭を成して来て、そういうのが見れただけでも良かったかなと。あ、あと力河も(笑)
個人的に気に入ったエピソードは火藍と莉莉の伯父楊眠の会話シーン。
火藍さんは始めいまいち良く掴めないキャラだったんですよね、紫苑の所為でクロノスからロストタウンに移った時とか彼女視点で描かれてなかったので。
日常が一変したにも関わらずのほほんとしていて、紫苑のとった行動を否定するどころかどうやら肯定しているらしい。毎日が生きていると言う実感が持てるロストタウン暮らしが気に入っている彼女は、やっぱり紫苑の母親だなぁという感じ。
というか、この親子お互いの事をとても良く分かっていますよね。良い関係を築いてきたんだろうなぁ。
力河が火藍に諭される夢を見る、と言った時「そういう人だから」と言った紫苑も素敵だな、と思いました。
紫苑は知識以外まっさらのかなり空疎な状態でネズミに拾われてから、今現在は目覚ましいスピードで、目と鼻と耳とその腕その足で世界を体感し、色々な事を吸収しています。
でもきっと根っこの部分は変わらないだろうなぁ。
いつまでもネズミを翻弄して頂きたいです。
で、もう散々ネタバレしてるからアレなんですが、各所で騒動を巻き起こした例の紫苑の天然炸裂事件(笑)
あれはアレで有りかなと思います。紫苑だから。紫苑じゃなかったらあり得ない。
平然と受け入れるネズミもまた、ネズミだから、ね。
あれが力河だったりイヌカシだったり、はたまた沙布だったりしたら決してあり得ないのですよ。
まぁ頃合としてはおかしくないんじゃないかな、それまでの二人のやりとり見てたらそこに至るまでの経緯はきっちり抑えてると思います。
恋人同士で言う、告白→お付き合い→初デートみたいな(笑)
ついでにソレの違いをみっちり教えてもらうが良いよ、紫苑。役得だ。
この二人、物語が完結するまでに何処までいってしまうんだろう。ある意味とても楽しみです。
あ、でも念のため言っておくと、これってまだ普通の範囲だと思ってるんですよね、私は。
だって、まだ。うん、一応許容範囲でしょ、紫苑とかのタイプだったら。
アレが深いものならそれはちょっと意味合いが変わって来るけど(笑)
それにおやすみだったら頬か額がいいなぁとも思うけど。
沙布に対する返事からしてもセクシャルな面に酷く疎い人だという事は分かってる事ですしね。
まぁそれ故に天然天然言われる訳ですが。
しかし全然終わる気配がありませんね。まぁ先に楽しみが持てて良いけれど。
特にこの作品発刊ペースかなり良いですし。


ただ一点気になると言えば、多分ヤングアダルト作品という点でそうされているのでしょうが、所々、フォントを変えている所。
却って安っぽい印象を与えるような気がするんですよね……むぅ、多大なお世話ですな。
次巻は桜の散る頃…だそうで。楽しみ。