医龍(14)

医龍 14 (ビッグコミックス)

医龍 14 (ビッグコミックス)

とりあえずこの巻は自分の本心に気付いた軍司だけで良いです。
「お前やっぱりKOIかよ☆」と年甲斐もなくはしゃいでしまうアレっぷりです。ええもん拝ませてもらいました。
軍司、朝田の事好き過ぎだってのはずっと前から思ってましたが、自分の恋心(違)を自覚した軍司が、年相応の謙虚な姿勢になったのがもうね!!
『軍司はツンデレ』イメージが定着してた私には堪らん展開です。可愛いよ霧島軍司。
まぁ腐った感想はここまでにしといて。相変わらずこの漫画は面白い。
ドラマはドラマで別の意味で傑作だったけれど、そういう周囲の雑音……は酷いか、喧噪もなんのその、というマイペースな話の進め方。
ここでいうマイペースは勿論良い意味でのそれです。
アニメ化とかドラマ化って少なからず作品に影響を与えたりするんですけどこれも作者自身の描きたいものがしっかりしているのか、
そういう変化は殆どなかった様に感じます。
今回の巻は私が楽しみにしていた手術有りの巻ですが、あれだ。なんか政治的思惑絡められても素直に面白いわ。
むしろ野口に揺さぶりをかけられてぐるぐるしてた軍司が、その思いを振り切って、伊集院に対し真摯であろうとしたのがね。
その姿を執刀する場面で描くのがさ、なんだこれもうスポ根の世界じゃねーかと思いつつ好きなんですわ。
医龍って、多分一番素晴らしいのは野口教授という非常にアクの強い『悪役』だと思います。
ここまで徹底した悪役には美学すら感じますね。
人としていやらしい部分をこれでもかこれでもかと出してけれどそれを恥じる事なく、むしろそれすら飲み込んで上に立とうとする様が素晴らしい。
本編中で霧島が言っている通りホント『蛮人』の世界ですよ。しかも知恵に長けた蛮人な(笑)
伊集院は、一巻から見ててまさかこんな好青年になるってだれが考えましたかねー。
今の伊集院は素直に応援したくなります。
彼は自分を凡人だというけれど天才の横でめげずに着いてったそのたくましさは単なる『凡人』で片付けられないものがあると思うんですけどね。
以前の様に次巻が待てない!という興奮は少し収まりましたが、それにしてもまだまだ先が楽しめる作品です。