皇国の守護者(3)

皇国の守護者 3 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 3 (ヤングジャンプコミックス)

この表紙好きですねー。色味が良い。
ベージュと黒、それに影としてほんの僅かに水色。
色彩としては決して派手ではなく、むしろ落ち着いた色味ですけれども、
絵ととてもあっていて、裏の新城もあわせてほんの束の間の休息な感じが良い。
同じ方向を見つめる目がそれぞれに性格を表してるのも良いなぁ。
3巻はほぼ小苗橋での河川陣地防御戦ですね。
「大瀬」の沈没、カミンスキィの過去などもちょくちょく挟みつつ、
ミンスキィ率いる第三東方辺境領胸甲騎兵聯隊第一大隊の上苗渡河。
金森の導術によりそれを知った新城が別働隊を率いて迎撃に向かう。
騎兵一個大隊を相手に出来るはずもなく、狙うは輜重段列。
「腹が減っては戦はできぬ」っちゅーそのまんまですな。
しっかしまぁ、よくもこうさくさくと進むもんですね。
「光帯の下で」で原作一巻が終わっているので、大体3冊程度で原作消化してる訳です。
てことは運が良ければあと20冊以上この本は楽しめる訳だ。素晴らしい。
原作も皇国や様々なものの歴史、<大協約>の細かな説明などを見なければ、
相当にテンポの良い作品なのですが、漫画版はそれに劣らずのテンポの良さですね。
しかも上手いこと端折ってると思います。
今回は漆原の復活が嬉しかったです。
新城には未だ複雑な思いを抱えているようだけれど、戦わなきゃいけないという意志を
取り戻したのが嬉しいです。
良くも悪くも真直ぐすぎるんだろうな。良い人だけど不器用で、愛すべき人間ですね。
あーでも兵藤も妹尾も大好きですよ、この三人の手紙交換のやり取り、見てて和みました。
金森はなー、ホント見てて可哀想になってきます。献身的で。
壕に籠って戦おうって時の台詞、導術兵達の「仲間がいつまでだってそれにこもって…」てやつ、
あの台詞大好きですよ。信頼って凄い。金森以外の二人にも、愛着が湧きました。
敵の砲から身を隠す為壕に潜った新城と千早のやり取りも好きですね。
こはちょっと原作と印象の違った所。
ここでふと千早のギャグ顔見て、一巻の巻末漫画から引っ掛かっていたことに気付きました。


「……アル?」


By鋼の錬金術師
似てないですか、ねぇ、似てないですか。
ダメですかそうですか。
まぁいいや、続いてお気に入り台詞。
今度は新城の「しまっておけ、今は。笹嶋への殺意を楽しむ暇はない」。
殺意を楽しむって言い方が好きですね。ああ、そうか確かにそうかも、って。
例えば怒りに震える自分を、客観的に見てみるとその高揚は楽しさに果てしなく近いかも。
ていうか怒りに震える自分を見るのが楽しい?かな。
怒ってること自体を楽しんでいるとも言えるだろうし。
忙しくてイライラの頂点に達している時の自分に、反面楽しんでいる感覚があるので、
なんとなく分かる気はするかな。
感情を昂らせるのって、基本的に人にとって快感なんじゃないかと思います。
そーいえばマランツォフの名前はジョークではないそうです。
きのこと相撲を取らされたカミンスキィ可哀想。
ていうか、そういう想像をせざるをえなかったカミンスキィが可哀想(笑)
4巻も愉しみです!!