バッテリー(5)

バッテリー (5) (角川文庫)

バッテリー (5) (角川文庫)

これは以前に感想書いているので割とあっさりめに。
読みながら、ああそうだ、この巻では4巻の張り詰めた空気が随分緩められて、
読むのがそれほどしんどくなくなってたんだっけ、と思い出してました。
ハンバーガーショップでの豪も含めた新田東1年生ズの会話を見て、
豪と巧に関してはある程度まとまってしまったな、と思ったこととか。
6巻は瑞垣描かなきゃ!って思ったあさのさんの気持ちも分かる気がします。
巧に関しては良くも悪くも、一旦落ち着いちゃったわけですものね。
巧は丸くなったとも言えるけれど、鈍くもなったのだと思う。
世間や周りに合わせられるようになるには自分のどこかを柔かくしなきゃいけない。
どっかを麻痺させなきゃいけない。
(確か福井敏晴さんが、如月行の変化についてそう言ってた気がする)
でも、どんな変化もピッチャーとしての巧に関わる事だから、良いにしろ悪いにしろ
色々なものを蓄えて欲しいと思います。ってすっかり親心くさい。
豪ちゃんはなぁ…ホント巧と出会ってしまった事が天国と地獄の始まりだよ。
はえらいと思う。
でも実は私はバッテリーの中で彼が一番得体が知れなくて怖かったり(笑)
瑞垣なんて豪ちゃんの得体の知れなさに比べれば全然可愛いもんだと思います。
だって瑞垣の方が数百倍分かり易いもん。
書き下ろしは、まぁ、うん、悪くは無いんじゃない?的な。横手のバッテリー話ですね。
でもどうしても必要だったかと言われればどっちでもよかったような。
まぁ丁度この巻で豪ちゃんと巧のバッテリーがなんとなく纏まったから、
それと対比して見る面白さは有るかもしれません。
でも正直な話、私としては本文中の書き方だけでこの二人のこういう性質はなんとなく見えていたので、
あえて一本の短編として書くほどのものかなぁ、という疑問がありました。
あー文庫もあと1冊で終わっちゃうんですねぇ。