デコトラの夜(2)

デコトラの夜 (2) (ウィングス・コミックス)

デコトラの夜 (2) (ウィングス・コミックス)

いい意味で裏切られました!!
前巻感想で先を読むのが怖い〜とか思っていたけれど、大どんでん返し。
多分最もいい形で話が収まった感じです。
デコトラの夜』自体はやはり前巻ラストがクライマックスで、
残り2話分、50ページくらいだけで終わっちゃうんですが、
その後の続編二本がまた良い味出していて、とてもいい読後感にしてくれます。
1巻には出て来なかった祐ちゃんの奥さんも登場するのですが、
まぁその人のキャラの濃い事濃い事。
その豪快且つおステキな性格は2巻だけの登場なのは惜しいと思える程(笑)
しかし、ここまで綺麗に本編を補完する、意味のある続編は珍しいと思います。
大概作者の趣味っぽいものだったり、ファンへのサービスかな、ってのが多い中、
この作品では本編の時間では描けない、時間が経ってからでないと
そこに至る事が出来ない感情というものをきっちり描いていて、
本編でとてもハッピーに終わったように見えても、やっぱりタイヨーは
とても苦しんでいたし、祐ちゃんも変わったけど幸せっていうものの実感を
本当の意味ではあんまり理解していなかった。
そういう部分をちゃんと補っていて、ただの幸せ家族的なエピソードとして
続編を描かなかった部分が好きです。
菅野さんのお話と山田さんの漫画は本当にしっくりきます。
作風が似ているのかも知れないですね。
痛い話とか重い話とか、感じ入る事の出来る話を書けるというのは確かに凄い事で、
私もそういう作家さんは大好きです。
が、こういう作品を読むと、やはり読んだ人を幸せな、和やかな気分にさせたり、
読後感のいい話を書ける作家さんってのには本当にかなわないと思ったりするのです。
読んで良かったです。とても良いお話。