エマ(7)
- 作者: 森薫
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2006/05/25
- メディア: コミック
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この漫画には長い間楽しませて頂きました。
息切れしない内に終わらせたのは素晴らしいと思います。
人によってはこっから先の方が肝心じゃない!という方もいらっしゃるかも。
9月号から読み切りで外伝の読み切りシリーズが始まるそうなので、
そのエピソードの最後にでも少しでも幸せそうな二人の姿を描いてくれれば嬉しいな。
さて本編ですが、『完結』の文字を見た時は吃驚しましたが(というのも、
月刊で追いかけていて、どう考えても一冊で納めるにはすごいボリュームがあるのを
知っていたので)、本当に終わっちゃいましたねー。すごい厚さ(笑)
でも確かに一冊にまとめた方がまとまりよい終わり方でしたね。
しかしウィリアムがエマを見つけるまではもう少し引っ張っても良かったような
気がします。
あれ、アメリカなんですよね?
そんな所まで探し回ってる割になんだかあまり時間経っていないような気が。
実は6巻を実家に送ってしまったのでエマがメルダース家から攫われて以来、
何話ぐらい経っているのか良く分からないんですけど、エマの境遇は置いておいて、
エマを探すウィリアムの焦りみたいなのをもうちょっと見たかったんですよね。
でも再会時の話はやっぱり良かったです、
この二人の再会はいつもドラマティックだなぁ(笑)
ウィリアムもここの場面といい、キャンベル家当主に啖呵を切った場面といい、
男前度が急上昇。彼はただ穏やかなだけの人に終わるかと思っていたけれど…、
いやー、恋すると人って変わるもんですねぇ。
エマも恋する自分のわがままさに戸惑ったりして可愛いです。
本当に多くを望まない彼女の奥ゆかしさは見習わにゃ。
ま、身分の差って確かに大きいんでしょうけどね;
そんな主役の周りでいい味出してたのがメルダース家のメイド達や、
モニカ夫妻&ハキムガールズ。……いや、モニカガールズかな?
ターシャはあれだけおしゃべりに描かれていたので、あの意気消沈っぷりは
少し可哀想でしたね。
エマが戻ってきた時に、皆がエマの元へと急ぐ中、きっちりエプロンを代えている
(多分捲ってた袖もおろしてる)アデーレさんが好きです。
こんな時にもきっちり客(ウィリアム)に対して粗相のないように
身だしなみを整える辺りは、やっぱりメイド長さんですね。
彼女とマリアさんの会話は好きです。いいコンビ。
この二人はヌードでも出てきますが、森さんの描く女の人の裸って本当に肉感的。
ちゃんと大きい胸は重そうです(笑)色気ありますねー。
エレノアはちゃんと少し回復して良かったです。
彼女のその後のエピソードも見たいですね。
新しい恋を見つける所までは厳しいかもなので、普通に笑えるようになっていれば。
アニーとの親しげな関係はかなり初期の頃から描かれていましたけど、
ここでもそういうエピソードがちゃんと生きていて良かったです。
モニカ夫妻は本当に面白いです。重い話の緩衝剤と言うべきか。
初め、モニカにとってフレデリックとは本当に形だけの夫かと思っていたんですけど、
何げにちゃんと愛情はあるみたいですね。
確かにモニカは気分次第でいいように思いきり相手を振り回してますけど、
フレデリックはそういう我が儘を言うモニカも愛しいんでしょうし、
端から見てると結構おしどり夫婦のような気も。
そういえばウィリアムパパママの二人の間もなんだか少し変わったような。
あー一個一個あげるとキリないですねぇ。
幕間の帽子を拾った女の子の話も可愛かったなぁ。
最後、スズランの香水出してきたの、なんか意味あるのかなーって思ったんですけど、
エマがロンドンを去る時に、花売りの女の子から買ったのがスズランでしたね。
あの時はウィリアムもあの女の子にあっていたし、こういう所に持って来るとは。
流石にこれは後付けで伏線にしたんだと思いますけどお見事。
本当に面白かったです。番外編も楽しみ!