本当に、やさしい。

本当に、やさしい。 (Super be×boy comics)

真っ先に書いておこう。
私、よしながふみさんって、ＢＬ以外の漫画の方が好きなんですよね。
本人が一番描きたいものはこっちなのかも知れませんけど。
なんでかというと、それまで普通の男の人だったのが、相撲*1の場面になった途端、
おあ！？この人お釜さんやったんかい！！？？
という感じの喋りになるのが……喋り……喘ぎかな……。なんかいきなり女っぽくなるのが嫌なんです。
いくらネコだからって、別に『女役』をそこまで引き受けなくてもいいでしょ？
というか私がやおいやらＢＬ読むのはそれが男と男であるからであって、
男と女でやるものの疑似セックスにしかならないんだったら興味無いんですよね。
ていうかそれなら男と女のやつ読むよ。
別にそのネコ側が元からおカマさんだったりするなら別に違和感は無いんですけどね。
というわけでよしながさん作品もお話のみを辿るような感じでした。
さて、こんな私の嗜好はおいといて。作品の感想行きます。
「本当に、やさしい。」表題作ですね。物悲しいけどこういう話好きだなぁ。
よしながさんて、他作品とかでもそうですけど、時々さりげなさを装って、
社会に対するすごい皮肉と言うか風刺を織り交ぜてる気がします。
主人公の慟哭をよそに、テレビのコメンテーターの発言のなんとまぁ浅薄なことか。
とは言えないか、一応統計取って、ちゃんとした分析してるかもしれないですしね。
ただ、起きてしまった事象とそれに関わった人物の過去を聞いただけで、
分かったような事をいうのは、やっぱりバカだと思う。
近くにいれば解るってものでもないけど、自分がその人を知らずに語ること程阿呆なことはない。
この作品群の中で一番好きでした。
「すこしだけ意地悪な告白」割と少ないページながら簡潔にまとまってます。
主人公二人の会話だけで話が進行するのですが、間の使い方とか、コマ割とか、本当に上手いなぁと。
「パンドラ」これも割と好き。ていうか濡れ場いらなくないですか？（失礼）
「シノワズリ」……中国趣味、ってシノワズリって言うんですか、初めて知りました。
これオチが良いなぁ。面白いタイプの話じゃないんですが。
「執事の分際」＆「ある貴族達の一日」この人ヨーロッパ好きだなぁとか思ったり思わなかったり。
タイトルが好きですよ。中身もまぁまぁ。

*1:隠語ですよ。もちろんセックスの事です。