クロサギ(9)
- 作者: 黒丸,夏原武
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/04/05
- メディア: コミック
- クリック: 13回
- この商品を含むブログ (43件) を見る
とりあえず今日はここまでですが、最後にクロサギ感想です。
今回は募金詐欺と粉飾決算詐欺、あと共犯詐欺ですね。
前二つはニュースでも取り上げられましたから馴染みがあるんじゃないでしょうか。
募金詐欺は本当に嫌ですよね。
本当に心から困っている人の為にお金を集めている人たちにまで迷惑掛けててタチが悪い。
以前大阪での募金詐欺グループが検挙されてましたけど、その時も回避方法が公表されてましたね。
でも、正直連絡先を聞いてから募金しなきゃいけない現状ってのはなんだか非常に悲しいですよね。
氷柱のお母さんも言ってましたけど、人の良心を疑うのは切ないです。
粉飾決算詐欺はそれそのものよりも、融資型変額保険の方にビックリですよ。
これマジですか、日本の銀行ってこんな杜撰な事やってたの!?
バブル崩壊で訪れた不況に関しては恥ずかしくも本当に分かりやすい部分の事しか知らなかったので、
これには本当に驚きました。これじゃヤミ金融と大差ないんじゃ……。
この話では「被害者(カモ)のためにこの仕事をしてるんじゃない」という台詞が、
今まで使われている意味とは少し異なった意味で使われていて、上手いナーと。
この台詞は「あくまで自分の為にやっているんだ」という意味で主に使われたと思うんですけど、
今回のは「被害者の依頼は受けるが、それ以外の面倒は見ない」と暗に突き放した台詞に
なっていたんじゃないかと。
共犯詐欺は最後の締めが良かったです。
そうなんですよ、クロは正しい行いをしている訳じゃない、ってことは
この漫画の中で絶対忘れて欲しくない事で、むしろ念頭に置いて欲しい事なんです。
クロがやってる事を正当化してしまったら、作品のメッセージを受け損なってる気がするんです。
黒崎の格好良さってのは、悪を倒す悪、ってところじゃなくて、
あくまで自分も悪だと分かっていて、割り切って仕事をしている部分なんですよね。
自分の過去の経歴を見たって、容赦してもらおうなんてこれっぽっちも考えない潔さが良いんです。
第三者視点のお話は少し違った雰囲気に見えるので好きです。
この話限りの主人公くんは、ちょっと間抜けでしたけど基本的に良い人でした。
クロって割とこういう人にはフランクな感じで話し掛けますね。
まぁ年も近いし、男同士って事も手伝ってやりやすい部分もあるのかも。
一枚絵の氷柱ちゃんは少女漫画チックで可愛かったです。後ろでギョッとしてるクロも(笑)
あとオヤジの趣味が料理で最後が人間ってなってたのも、皮肉が利いていて良いなぁ。
さりげないオヤジネタで大喜びしました。オヤジ大好きなんです。