バトル・ロワイアル II 特別篇 REVENGE

バトル・ロワイアル II 特別篇 REVENGE [DVD]

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ネタバレ含みます。御注意。


よくもまぁこんなにつまらない映画作ったもんだなと呆れました。
どこまで父親が作り、息子が作ったのか解らないのでなんとも言えませんが、
これが遺作だとしたら物凄い心残りなんじゃないの?<父・欣二
テロリストとなった七原達を追い詰めるゲームとして生まれかわったBR2。
でも、本当にテロリスト殲滅させたいのなら、襲撃側にペアを組ませて片方死んだら、
自動的にもう一人も爆死ってのは明らかに無意味(というか意味不明)な行為だし、
大体孤島に立てこもってるのが分かってるんなら空から爆撃すれば良いじゃん。と思うのですが。
あの孤島にはなんらかの守らねばならない資産とかあるわけ?
でも最後結局大人の部隊送り込んで結構派手にドンパチやってるよね。
ペアの件も物凄く都合良く考えるなら、そういった危機感を募らせる事で、連帯感を高めたり、
本気にならざるを得ない状況に持ち込むってのも解らないでもないですが、
でもやっぱり戦力が減るのはまずいんじゃないの?
現存する学生自体を減らすっていう、本来のBRの目的も兼ねてるのかとも思ったんですね。
それならテロを弱らせつつ、攻め込む側をもじわりじわりと殺すのは解る気はするんですよ。
だから、テロ達を弄ぶ理由で少数精鋭(1クラス)×数回に渡る波状攻撃を仕掛ける気なのかな
とも思ったのですが、どうも話の流れを見るとそうじゃなく、
この一クラスで七原達を仕留めたかったらしい。
なんじゃそりゃ。だったら余計自ら攻め込む人員を減らすなよと。
いやー脚本の時点で矛盾有りまくりだし、どれだけ俳優とか頑張ってても意味ないよ、これじゃ。
駄作にならざるを得ない。
あと前作でもだっさいなと思った、死ぬ直前のエヴァ風味のモノローグ。
よりにもよってそんなダサイ手法引き継がなくても良いでしょうに。
今回はエピソードのつぎはぎ具合も素晴らしく、物語自体が「もう見てらんない」感じ。
主人公達の言う『仲間』って言葉も薄っぺらいし。
ラグビーを通して、彼等には仲間意識があったのかも知れないのだけど、
それは登場人物達の中だけで完結してて、見てる側には余り伝わって来ないのね。
それで、死の直前に友情匂わせますよ−的な台詞言われても、こっちは全く泣けない訳で。
あともう一個最悪だったのがカメラワーク。特に上陸の辺り。
緊迫した雰囲気を出したかったのか知りませんが、カメラをぐらぐら動かすのですよ。
しかもそれは、ド素人がホームビデオで走りながら映しました(手ブレ補正無し)、
みたいな揺れ。
えーと。爆発シーンなんかでブレを入れるのはね、まぁ普通ですよね。
でも、人が走って逃げ惑うシーンで、カメラマンも『カメラ』の存在を忘れて惑うような手法は
あまりにもお粗末、というか発想が幼稚だと思います。
だって、画面、殆ど何がなんだか解らないもの。
よくもまぁあんなのOK出したもんだ。(というか監督の意図なの?)
とりあえずこの映画が映画の時系列通りに撮られていたとしたら、
こんな駄作作ったのは息子なんだろうな。
メイキングで見た感じだと欣二監督はクランクインして割とすぐにお亡くなりになったようだし。
しかし、脚本はその時点で出来てたんだろうか……兎に角謎。
俳優陣は悪くなかった、というか割と良かったと思います。目立った大根が居なかった。
でも取り立てて良いと言える人もおらず、専ら藤原竜也さんが目立ってました。
彼はBR1に比べて随分良い演技になってましたね。深みが増した。
なるほど、少し前にBRを成し遂げた藤原ならデスノの月は云々てのは、こっちなら、
ある程度頷ける気がします。確かにキレた演技も出来そう。
でもなんか彼だけが物語の中でも神格化…とまでは言わないけれど、
完全に一人浮き世離れしていて、七原万歳な感じがしないでもなかった気がします。
しかも二代目主人公が七原に比べて精神的に幼すぎて、演技も割と地味なもんだから完全に埋没。
藤原さんの一人勝ち映画、と言っても過言ではないかも。
というかこの映画、多分彼が居なかったらもっとぐだぐだになっていたと思う。
それくらい酷かった。内容が。
でも彼一人が物凄いオーラで場を引き締めていて、それでなんとか持った感じ。
ただ作り手側の『七原神格化』みたいなのはちょっとどうかな、と思いましたが。
あそこまで先導的な台詞を吐かせなくても、雰囲気だけである程度どうにかなった気が
しないでもない。
あ、珍しく結構べた褒めしてます?
でも、彼一人浮くぐらい他の人と演技の次元が違ったんだもの。
彼の傍にいる人が殆ど若手ばっかりだった所為もあると思うけど。
なんか一人カリスマオーラ出してた。
あーあと、竹内力さんの役はね。
あれも結構破綻、というか矛盾したキャラだと思います。
七原の言葉だけで、あれ程までにいきなり叛旗を翻してしまえるものなのか。
あと娘を失った事で、あそこまで他人に加虐的になれることもどうかと思う。
余りにも短絡的な人間として描かれ過ぎ。人間像が薄っぺらいヨ。
というわけで、映画としては星1くらい。
その星も全て俳優の演技のみ評価してもそれ、って感じです。
あまりにも内容がお粗末すぎました。
最後の方、やたら説教臭いのも鼻についたし、七原達の帰還とか有り得ねぇと軽く爆笑しました。
上手く纏めたというより御都合主義過ぎる展開に苦笑い。
なんとも不細工な映画でした。
これで特別編だってんだから劇場公開はさぞかし酷かったんだろうな。


さて、今回も例のアレですが。(思いきりネタバレはいります)
そうです。この映画も勝地くんが出ていなければ私観賞しようとは思いませんでしたよ。
だって1で思う存分地雷踏みましたもの。威勢良く吹き飛びましたよ。なんだこりゃー!て。
さて、その勝地くん。結構美味しい役所でした。
後半にならないと殆どクローズアップされないんですけどね。
数少ない生き残り組に滑り込んでるので、そういう意味でも美味しい役所。
というかシスコン(笑)いいなぁ、シスコン。
なんで彼はこう、年下属性というか、子供だったり弟だったりの役所が合うんでしょう。
上の人に懐いてる姿を見るのが凄く楽しいと言うか嬉しいと言うか……可愛い(笑)
相変わらず昔から目力強いです。
ふ、と目についたが最後、次のシーンからどんな群集からでも見つけられるようになりました。
やっぱこの子好きだな−。
あ、これもやっぱり少し前の作品て事もあってか、今より朴訥な台詞の喋り方になってました。
容赦なく言えば、ちょっと棒台詞気味。
例え好きな子でも容赦なく鉈を振う(←笑)私は冷たいですか?