男たちの大和・追記(ネタバレ含っていうかネタバレだらけ)

昨日否定的なこと書きましたがとりあえず少しだけ追記。書き方悪かったです。
見る価値はある映画です。人によっては傑作たりうるのも頷けます。
ただ、私としては、ドキュメンタリー番組を見せられた気になったんですよね。
映画だと思えなかった。
逆にいえばそれはある意味、役者はとても真に迫った演技をしていたと言うことだし、
真実はどうあれ、ある程度本物っぽく見せることには成功したんだと思うんです。
でもね、こう、メッセージ性自体は薄いと思ったんです。
最後の「長い間生きさせていただき、有難うございました!」でしたっけ?
あの台詞こそがこの映画の本題だと思うんだけど、なんだろう、私感情移入し損ねた?
その後仲代さんの号泣とか、あと、その前の彼の若かりし頃の西君の母親とのやり取りとか、
感じる部分は多々あるんですけど、それも現実にあったことを
そのままぽんと見せられてる気がした、というか。
映画の題材がノンフィクションであっても一向に構わないのですけど、
映画はやっぱり『ノンフィクションを描いたフィクション』であって欲しい。
虚構の世界であって欲しい。
で、その虚構の部分だけ見たら結構ぼろぼろじゃない?って感じてしまったんですよ。
前述の通り、回想を行ったり来たりとか、
いきなり第三者視点での昔の映像をナレーション付きで入れたりとか。
神尾が後に知った情報を元に、語りを入れたとかでも良かったんでは。
あの部分だけどうしても浮いて、不細工だなと思ってしまうんです。
無機質さを入れたいのかもしれない、画面の殆どは神尾の回想を通しているので、
どうしたって強い情感が漂うから、そこに無機質さを入れて、
残酷さを際立たせるつもりだったのかもしれない。
けれど、むしろこっちも船酔いしそうになるほどに、
完全に神尾の世界にしても良かったんじゃないでしょうか。
というか、私がそうして欲しかっただけなんですけど。
そんなところです。日本の歴史の一端を垣間見るには結構良い教科書だと思います。