男たちの大和(ネタバレ含)

男たちの大和 / YAMATO [DVD]

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いやー泣いた泣きました。いっそ気持ちイイぐらい泣きましたよ。ええ。
泣きつかれる程泣きましたが そ れ が 何 か ? という感じです。
ぶっちゃけて言えば
泣ける映画=良い映画ってわけじゃないよね。
という話です。
別に悪かないがあれだけ絶賛される程のもんかしらと思います。
感動してない訳じゃないんです。だって感動って『感情が動く事』でしょう?
泣いたってことは感情が動いたから泣いたんですもの。
でも、どちらかというとあんまり良い涙じゃなかったのよね。
全部マイナス要素だったの。ただ悲しかったの、痛ましかったの。
一秒間に何人死んでる?って画面を見せられりゃ、誰だって泣いても仕方ないと思うのです。
人間は、他人の痛みや辛さを共有して悲しむ事が出来るんですから。
例えフィクションだと分かっていても、物語の中身は半分史実に基づいたものですし、
自分の知らない過酷な環境を目の当たりにして、ただ痛みを感じるのは普通の事ですよね。
んー泣ける要素てんこ盛りだし、だからって泣いたからってあれが傑作かって言われたら、
私はそうは思いません。同じ痛みでも『戦場のピアニスト』の方がもっとひしひしと何か伝わって来た。
ていうか『泣ける=良い映画』なら辛気くさい映画が一番てことになっちゃうもんなぁ。
で、なんで割とこういう冷ややかな見方になったかと言うと、映画の構成が嫌いだったんです。
現代と過去だけならともかくそこに更に実際の映像を挟むでしょ。
過去の話にぐぐーっとのめり込もうとした所を断ち切られるんですよね。
現代の方、もっとバッサリ切って欲しかった。途中何度も出過ぎ。
いちいち感情移入しかけていた所を寸断されるので気持ちが悪いです。
あとはね、私、のっけから泣いてたんですよ。
物語的に人物の会話とか映像でしかなくて、泣くようなシーンじゃないの。でも勝手に涙が出て来る。
自分でも途中まで訳解らなかったんですけど、ふと、泣いた所は全部音楽が鳴ってた事に気付いたんです。
つまりは私の涙腺を刺激し続けていたのは、久石譲さんの音楽だったんです。
私、彼の音楽がなかったら、最後の壮絶な戦闘シーンまで殆ど泣かなかったと思います。
この映画、結構音が鳴りっぱなしなんですよ。音って言うか、曲が。
それがね、なんか胸を締め付けるんです。
元々彼の音楽は私の心の琴線に触れるものが多く、『千と千尋』でも冒頭で涙が滲んでしまったぐらい、
感情が揺さぶられてしまうんです。
音楽も勿論一体となって一つの映画が出来ているのですから、音楽がなければ、なんて
意味の無い仮定だとは分かっていますが、それでもこの映画における音楽の功績は偉大だと思いますし、
私が容易く感情移入出来たのもあの音楽のおかげではないかと思います。
脚本も役者も悪くない、もとい良かったけど、やっぱり大和の艦内での生活のエピソードとかもうちょっと
詰めるトコ詰めて欲しかった気がします。現代ストーリーはしょってでも描いて欲しかった。
神尾役の松山ケンイチさんて方は今回初めて名前を意識した方なのですが、彼、確か某所で
デスノのL役として名前が上がってた人ですよね?
確かに彼の演技は良かったです(Lとはイメージ違うけど上手くカバーしてくれると良いな)
あと反町さん、私GTOやってた頃の彼、なんだか良く解らないけど大ッ嫌いだったんですよ(笑)
でも演技が凄く熟達して来た、というか人間性が深みを増したのかな。
すごく深い演技をされるようになりましたよね。
中村獅童さんは言うまでもない。凄く熱くて、人間味のある演技。好きです。
鈴木京香さんや仲代達矢さん、渡哲也さんもいうまでもなく、ですね。
でも何げに現代でたった4人しか出てないメインの内、子役(というには大きいけれど)の
池松壮亮くんが気になりましたね。なんか彼の演技好きですね。
あと西くんの役をやった内野謙太さんも気になってます。
あ、「リリイ・シュシュ」に出てるわ、丁度良いな見てみよう。(元々見る気だったので)
脚色とかはしてあっても、やっぱり史実。泣けても当たり前。
物語/映画としては、やっぱりそれほど絶賛はできません。
けれど大事なものを見せてもらった感じはあります。
基本的にヒネクレ者なのよ。世間ウケがいい作品は元々あんまり好きになれない性質みたいです。
まぁマニア向けが好きなんだと言えばそれもそうなんですけど(笑)
星は4つ。