笑の大学(ネタバレ含)

笑の大学 スタンダード・エディション [DVD]

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これいい!すごく面白かったです!!
でもどっちかというと同じキャストで舞台で見てみたいです。
と思っていたらやっぱり舞台&ラジオドラマが先なんですね。
確かに、映画向きじゃない気がするもの。映画向きじゃないというか舞台向き。
マイクが必要無いくらいの小さい小屋でやったらすごく面白いだろうなぁと思います。
舞台では西村雅彦、近藤芳正のお二人が演じていたのだとか。それもイイな。
はてなでのおおまかなあらすじは以下の通り。

昭和15年、謹厳で傲慢な検閲官と、それに逆らえない喜劇劇団の作者が
芝居の脚本をめぐり修正命令と書き直しを繰り返すうちに、なぜか脚本
は二人の共同作業に・・・

どんどん検閲官が作家に絆されていき、笑いに理解を示していく過程と、
二人で推敲を重ねれば重ねる程面白くなってゆく脚本。
殆ど二人だけの密室劇なんですが、これは本当に質が高いです。
いやもー何が良いってやっぱり脚本ですね。あと役者。
稲垣さん、役所さん、二人とも、喜劇というものを本当に分かっていらっしゃる!
おかしな事を糞真面目にやるから笑える、その古典的な笑いを見れるのが嬉しいです。
今の芸人に多く見られる一発ギャグって、本当に流行り廃れが早いけれど、
こういう古典的な笑いってのは廃れる事がないですねー。
稲垣さんて、ホントこういうの向いてると思います。
もともとやや若干ズレた感性の持ち主というか、スゴイ真面目な顔で変な事いいますよね、彼。
そういう性格も手伝って、作家の『笑い』に対しての生真面目な部分と綺麗に合致した感じです。
彼が真面目な顔で「それがウケるんですよ」という度に可笑しくて仕方有りませんでした。
役所さんも、おカタい役人タイプでも人情タイプでも上手くこなせる人ですから、
検閲官から個人的なツッッコミに入っていく過程がすごく見事で。
警官役を引き受けた辺りから「アンタハマりすぎだ!」と思いつつも、憎めないキャラクターで、
カツラ被って坊さんにまでなった時には爆笑致しました。可笑し過ぎるー。
物語の最後もすごく良い終わり方なのに、そこでも笑いがこみ上げて来るのが良いです。
廊下にいたお爺さんが最後敬礼したところで、なんだか普通に笑えましたよ。
凄い真面目なシーンの筈なのに笑える。
多分その前の「お肉の為に死ねる!」が余韻を残してる所為なんだろうけど。
作った本の内容は結局どんなものだったか解らないんですけど、
実は本そのものの内容は主題とは殆ど関係無かったんだなと思うとそういった見せ方もスゴイと思います。
ただやっぱりそういうのは舞台向きな話の感じがしますけどね。
この本が上演される、が最終目標だと思ってみていたら拍子抜けかも。
私は上演自体は意味がないと思う派なので、あの終わり方は大好きなんですけど。
星は4,5。舞台で見たら、きっともっと面白かった。
あ、最後に本間さんの音楽がすごい良かったです。作風にピッタリ!