ここ最近に読んだもの→毎日晴天!シリーズ(ネタバレ含)
ちょっと落ち着けと自分に言いたいです。旅先でまで買って読んでたんだぜ、コイツ。
感想は随時こちらに足して行きます。ホント何やってんだか……。
- 作者: 菅野彰,二宮悦巳
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 1999/06/01
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やっぱり漫画でだけでは汲み取るのに眼界があった部分が結構あって、
そういう部分は補足して貰った感じで読んで良かったなと思えます。
特に勇太の馴染みのお好み焼き屋さんでの描写は圧倒的にこっちの方が細かかったなと。
というかイメージが変わった部分もありました。
イメージが変わったと言えば真弓が家出した直後の兄弟&秀のやりとりも若干違いましたね。
小説だとかなり深刻で、また秀(&大河?)と兄弟の間に若干の溝を感じましたが、
漫画版だとここら辺り割とライトに描かれているんですよね。
私は漫画版の方が好きかな。「犬の話じゃ無かったのか……?」の辺りですね。
ここの丈と明信のやりとりが深刻になり過ぎるとちょっと次の部分に繋げ難いというか。
あと龍兄に対する「身体で返す」後のバイトに励む真弓の一枚絵とか(笑)
漫画はああいう部分でギャグ挟めるから得ですよね。
これは勇太メインの話ですけど、この話では真弓が圧倒的に好きでした。
『違う水で育った』事に対し、
「違う水がある事を知らないつもりも無いし、違う水で生きられないほど弱いつもりもない」
と言い切った真弓が好きです。
「人を隔てるのは人の弱さだけだ」の下りも大好きです。
あ、そういえば一番驚いたのは勇太の「おられる気ぃする」の台詞のあとの描写で。
彼は一度嘘だと、その言葉を取り消そうとしてるんですよね。
漫画じゃそこまで拾えなくてそうやったんかー!と吃驚。
勇太の思慮深さは、それなりに分かっていたつもりでしたが小説の方がもっと葛藤が大きいんですね。
好き、の幅が広がった気がします。好きだなぁ、この二人の話は。読んで良かったと思います。
- 作者: 菅野彰,二宮悦巳
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実は両方ともちょっと苦手だったり。
この作品での真弓の不安の露出とか若干急だった気もしますし(ただ不安の元については理解出来ますが)
どうも、収まり悪い感じ。
大人カップルはねー、正直苦手なんです。何がって主に秀が。
大河は好きという訳でも無いですが、『帯刀家の家長』としている彼は割と好きなんですよ。
一人の男としてはどうでもいいですが(笑)←酷い
だから他カプの話で出て来るのとか、主に家族の事で悩んでる大河は好きなんですが、
この二人がイチャイチャしてる部分というと一切興味が持てません(苦笑)
秀の性格が苦手な所が強いんだと思います。他人への依存心が強い部分とか。
『子供の言い分』でも、彼のそういう部分が苦手で末っ子達の方に全面的に心が偏ってしまった為、
大河の方にはともかく秀には全然感情移入出来なかったんですよねー。
でも大河の両親が居ない事に対するコンプレックスとかの表れは好きな描写でした。
凄い家族思いなのね。
自分自身が満たされたい側に立つんじゃ無くて、満たしてやりたいって思えるのは素直に凄いと思います。
まぁそれもまた自己満足なのだろうけれど、そうやって彼が自分の足元固めなきゃいけなかったとしたら、
それはきっと急逝した両親が原因だったのでしょうから、仕方ないかなーとも。
大体自己満足にしたって、こんだけ平和な自己満足なら、文句なんてなかなか言えませんよねぇ。
- 作者: 菅野彰,二宮悦巳
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何故ってこの二人がくっつく必然性がどこにも感じられなかったから。
恋に必然も偶然もあるかと言われればそうなんですけど、明信はだって一番遠そうですもの。
なんていうか、アブノーマル(と定義付けるのは乱暴ですが少なくとも彼の概念ではそうだと考えた上で)
な事って、彼は好まないタイプに見えましたから。
そういうのが結局の所偏見なのかしら。
ただ、現実にそう言うのを目にしたら特に違和感は覚えないのかも知れませんが、やはり女性が書いてる、
って時点で願望が入ってるのは否めない訳で、そうなるとそこにわざとらしさを感じてしまうんですよ。
だけど、明信という個人は好きだし、龍という個人も、まぁ好き。
特に明信の悩みにはとても共感出来るし、そういう醜い自分と向かい合うのは結構しんどい作業だから、
彼の人間性とかは本当に近く感じる所があって好きなんですよね。
いや、好きって言うか、解る?のかな。
明信のあれは恋愛じゃないのかもなぁと思うと割とすっと入ってくるような気もするんですけどね。
兄弟間での『役割』を失った明信が龍の瑕に寄り添う『役割』にシフトチェンジしたと思えば合点が行く、
というか。尽くす事が生き甲斐の人とかいるじゃないですか。
誰かの為に尽くしたり、我慢したり。自己満足なんだけどそうする事で自分の場所が得られるような感じ。
明信がそういう類いの人間だとすると今傍にいて目に見えて苦しんでいる龍の傍に寄り添う事は、
それはそれで必然なのかなーと。でもそれって恋愛とかじゃなくて、情って感じがしますが。
まぁ恋も愛も情の延長だからおかしくはないか、そんなところで。
- 作者: 菅野彰,二宮悦巳
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竜頭町〜の方は真弓の幼馴染みのウオタツこと魚屋タッちゃんのお話。
彼は好きなんですよ、すごい良い子だから。
いっつもハプニングばっかりの末弟カップルに散々振り回されてる彼の恋のお話は、「やっぱり」な感じ。
でもこれは彼が悪いよな、相手の女の子可哀想だよな(苦笑)
というわけでとりあえずあっさり目に。
対する『子供達の長い夜』。このシリーズ今まで読んだ中で、一番好きでした。
『子供の言い分』でも割と好きになっていた勇太ですが、どっちかというとあの作品では真弓の強さの方が
際立っていて、そっちの方が見てて心地良かったんですよね。
今作では、もう完全に勇太寄りになりましたね。彼の吐露する心情がいちいち突き刺さる。
でも最後の最後で「死なれるくらいなら、そんときは捨てても良いよ」という真弓の男っぷりに、
やっぱり惚れ直す(笑)
その後茶化すような台詞が入ってるけれど、コレが彼の本心なんだろなぁと思うと、
やっぱりこういう男前な受は好きなんですよ、私。
ああ、やっぱ勇太と真弓の話は本当にお互いがお互いを支えとしてマッチングしてるなぁ。
だからスゴイ好きなんだろうなぁ。
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なんていうかこの二人はあんまりどっちでもいいというか。
正直この二人メインの巻って読むの微妙に遅くなるんですよね。読み進めたい気持ちが薄いから。
ならなんで読むんだといわれても、この二人だけのやりとりじゃないですからねぇ。
現に秀が義父である勇太とそれに深く関わる真弓はどうしたって出番多いですし。
あーでもハッキリ分かったのはやっぱり秀って苦手なタイプなんだなーと。
途中の際限無いネガティブ思考にはイライラしっぱなしで(でも同族嫌悪かもな)、
よくもまぁ大河はこんな鬱陶しいのと付き合えるもんだなーと思いましたね(酷)
持たざる者の気持ちは解らないけれど、持っていたって解らない人だっているのに。
自己肯定よりも自己否定に走ってしまう人はどうしたって自分が劣っていると思ってしまうものなのね。
私なんか解らない事を理解しようと努力はするけど、解らなくて何が悪いて開き直ってる部分も有ります。
ていうか、ここに関しては持つもの持たざる者じゃなくて、結局その人の意思だと思う。
解らない事、知ろうとする事、解る事、解ったと思っていて実は解ってない事、解らなくても構わない事。
どこまで開き直れるかと言えば聞こえは悪いけれど、
知らないからと言って自分は何も出来ないと雁字搦めにしてしまっては動く事も出来ない。
そういうのは、それもまた一つの逃避だとも思うし。
ああ、もう何書いてるのか訳解らなくなって来た。
- 作者: 菅野彰,二宮悦巳
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この人、この家族でギャグ書いてる時が一番文体が生き生きしてるなぁ、と思います。
実際声を上げて笑いたくなった箇所がいくつか。
花屋と次男は、なんか一番平凡なカップルかも知れないと思いました。
時期が来たら別れてもおかしくないような。
刹那的な、というんじゃなく、極めて建設的な、大人な付き合い方というか。
まぁ彼等の年じゃもう、好いた惚れただけで一緒に居られる訳でもないって身に染みている年齢ですし。
そういう淡々(?)とした部分は好きです。
明信の愛し方は、それも一つの手段で、やっぱり彼は他人の幸せを見る事で自分が満たされる人なので、
双方共に本当に満たされているならその状態を維持出来る相手が良いんでしょうね。
うーん……この二人は別れるかもな(笑)
末っ子〜の方は、もうホント可笑しかったです。ギャグとして全編読みました。
誰しも感じる事だと思いますが、家族の『家族として過ごしている時間外の姿』ってのは、
やっぱり遠いんですね。
個人的な事でいえば、やはりうちの母がたまたま勤務中の私をこっそり覗きに来ていた事があったのですが
なんだか自分の知っている娘とは違う気がした、と言われましたね。
でもそんなもんだと思います。
わざと変えてる訳じゃなく、家族、友達、職場、ネット、
どうやったって勝手に自分の中で切り替わる部分があるし、それが普通だと思います。
でもやっぱりその変化を目の当たりにすると結構ショックだったりするんですよね。
オチがちょっとアレでしたがそれでも割と面白かったです。
あ、何げに明信と丈の、お互いを思って出る言葉のエピソードが好きでした。
そうね、兄弟ってそういうもんよね、って。