ボクを包む月の光〜ぼく地球 次世代編〜

ボクを包む月の光―ぼく地球次世代編 (1) (花とゆめCOMICS (2801))

ボクを包む月の光―ぼく地球次世代編 (1) (花とゆめCOMICS (2801))

ええと、これはずっと本誌で追っかけて来た作品なので、コミックスでまとまって出てもそれほど書く事無いといえば無いのですが。
ちなみに本誌↓

……物持ちが良過ぎるのも考えものです。
実はこの号で応募可能だった、応募者全員サービスの日渡早紀DVD2003スペシャル・エディションが欲しくて買ったのに、結局応募し忘れたという……_| ̄|○
ちなみにDVDは『ぼく地球』のOAV版からの抜粋映像とカラーイラストを掲載したデジタル画集など。
あー今考えても惜しい事した。OAV版、質良いんですよね〜かなり。ビデオ六本で駆け足で作ったし、連載中に作ったので綺麗な完結の仕方してなかったんですけど。音楽も新居昭乃さんとか菅野よう子さんだったし、作画監督後藤隆幸さんで全編通して映像綺麗だわ作画も丁寧だわ、今から考えると声優も滅茶苦茶豪華ですよ。
て、話が逸れましたね。新刊の話をせねば。
けれどこれを語るにはまず先にぼく地球と日渡さん自身の話をちろっと。
ぼく地球は、多分6〜7巻ぐらいが発売されている時に目をつけました。が、実際コミックスを買う事は無く、文庫版が出てからほぼ一気買いをしました。長篇ですが、不要なエピソードは極めて少なく、話作りも繊細で、最後の方はかなりのめり込んで読みましたねぇ。
亜梨子には何故か感情移入しにくく、もっぱら輪くんに偏って読んでました(笑)
最後の方の紫苑としての痛みを引き受けた状態での輪くんはとても子供に見えず、ええ、ええ。大好きですとも。ショタじゃないけど、輪くんだけは好きだ。格好良い。でも多分恋愛系の好きじゃないんですよね。
放っておけない、母性を刺激されるタイプなのかな(笑)
この頃丁度本誌の方で『紅茶王子』を描いていた山田南平さんの描く『久美子&真吾シリーズ』の真吾と良い男勝負をしていたはずなのですが、私は断然というか圧倒的に輪派でしたね(笑)
子供が強がって背伸びしてるのと、実際に内側に大人一人分を抱え込んじゃってるのとでは重みが違い過ぎますもの。そういうしんどい部分を堪えてる輪くんが可愛くて格好良くて、まぁ好きだった訳なのですよね。
この作品が終わったと同時に、自分の中での日渡さんは一旦消えました。丁度この頃花ゆめ本誌を読んでいた時期だったのですが、その次の作品『未来のうてな』が自分好みではなかったのです。面白くなかった、という訳ではなかったのですが、これは偏に好みの問題。間にちょろっと書いた短編(なんていうタイトルか忘れたのですか、ライカという女性の元に同じDNAを持つ男性達が繰り返し現れる…てやつです)がものすごい好みだったので、ああ、全くこの人の作風が苦手になった訳じゃないんだなぁと思っていました。
が、結局その後は未来路を主人公にした番外編のコミックスを購入しただけで、『宇宙なボクら』も『GLOBAL GARDEN』も購入しませんでした。(でもグローバルガーデンは買っても良いかな〜と思ってます。割と好きな話です)
で、そんな中、GLOBAL GARDEN連載中に別冊花とゆめで『ボクを包む月の光』が掲載されました。
不安と期待でいっぱいでページを捲りました。懐かしさが溢れる事の方が大きくて、物語そのものにのめり込めない。輪くんだ輪くんだ輪くんだーでっかくなってる、亜梨子もすっごい綺麗になってるーてばっかりで、蓮くんの方にね、感情移入出来なかったんです。
それでもこれ一回だけの読み切りだと思っていたから、ああ、久し振りに輪くん達に会えて嬉しかったなぁと思ったんですよ。
そしたら、気がついたらまた載ってるじゃないですか。気がついたら連載までしてるじゃないですか。
これはね、正直な話微妙でした。うん、この濁し方良くないですね。あんまり、嬉しくないかも知れない、と思ったんですね。
久し振りに再開した時に作画の変化に少なからず驚いたし(ちょっと最近デフォルメきつ過ぎるような気がします。デッサン狂いが気になる)、実はぼく地球の最終回の頃の絵がかなり好みだったので、今の絵で見てもそれはそれで嬉しいんですけど、やっぱり前の絵が好きだったんです。
そして何より二回目も三回目もまた親世代絡みのお話だったでしょう。それがね、何の為の次世代話なのかな、と。蓮達にスポットが当たってないんですよ。ま、それでも父として蓮を愛してる輪くんとか、紫苑のこと思って泣いてる輪くんとか見て、喜んでたんですけどね……。
結局輪くんばっかかよう、自分……_| ̄|○
いや、でもやっぱ蓮達のお話にして欲しいんです。2話見てるとEPIA絡めてくるんじゃないか、と思っていて。ちなみにこの話も未来路の番外編読んでないと結構ちんぷんかんぷんですよねぇ。
日渡さんが上手い事方向転換してくれる事を願います。でないとこの作品は本当に単なる『ぼく地球』の後日談みたいになっちゃう。そういう、前作にのっかるような行為は、あんまりして欲しくないんです。別作品として成立させてくれるのなら何の文句も有りません。
バンチとかのリバイバル作品とかでも尽く転けてるし、ホントもう昔の作品の続編って紙一重だと思うんですよ。
下手すると前作まで汚しかねない。
だから、上手い事視点をスライドさせて欲しいな、と切に願っています。
話は一冊で見る限りは面白かったです。
ただし、やはり『ぼく地球』読者の為の本であって、初めて読む人の為の本ではない事を付記しておきます。
あ、あと蛇足ですがデッサンの狂いはやっぱり少し何とかして欲しいかもです……。
泣いている輪くんの下のコマの蓮は……失敗した福笑い?な様相になっております(泣)
あれはちとキツいですよ。折角泣けるシーンなのにあんなところにピカソ絵挟まれちゃ泣くに泣けません(;´д⊂