Shall we Dance?(ネタバレ含)



……といってももう何年も前に日本で公開されてる映画だしなあ(笑)
今更ネタバレも無いだろうという感じもしますが。念のため。
まず日本版と比べずに感じた事。
リチャード・ギア格好良い。ジェニファー・ロペス綺麗。
ダンスが様になってる。所々にあるアメリカンジョークは軽い笑いを齎す程度で丁度良い。
話は纏まりがいいけれど、物足りない感じ。
では日本版との比較。
私は日本版の方が好きです。こっちの方が話も断然テンポが良いし、キャラも濃い(笑)
いわゆる『おじさん』が社交ダンスにハマるという気恥ずかしさは、多分欧米人より日本人の方が圧倒的。
日本人体型自体がこういった芸術関連には不利だったり(最近はそうでもないですが)で、兎に角日本人の諸外国の文化に対する劣等感と言うか、スマートさに欠ける日本人の哀愁と言うか、そういうものがないといまいちスパイスが足りない感じがします。
竹中直人さんが演じていた役も、外国製竹中直人!?とか一瞬思えるほど無駄な動きが多く(笑)暑苦しさも十分に伝わってきたのですが、そこにさらに西洋の人間とは根本的に違う日本人ならではの悲劇性(と書いてもなんだか笑える)が無いのが根本的に違うんだよなぁ、と。
役所広司さんも本当にただひたすら仕事に打ち込んで、家族を愛する、平凡で不器用なサラリーマンで、彼はダンスが上達するにの結構時間がかかっているような描写でしたが、対するリチャードは割とすんなりと習得している様子。また割と初めからサマになりすぎててそれ故に最後の見せ場で優雅に踊れる場面を見せられてもあまり何の感慨も抱けない。うん、元からスマートすぎるんですよね、彼は。
まぁ日本のサラリーマンに共感を得られやすいのはどう考えても日本版。時間に追われてあくせく働き、その中で自分って何するために生きてるんだろうなぁ、とかふと考えちゃったりする人、結構多いんじゃないかなぁと思います。
草刈民代さんは台詞こそ訥々とし過ぎている部分は有りましたが、なんか神秘的で近寄りがたい、それでいて惹かれるものがありました。
終盤のレッスン中の彼女は見た目にも生き生きとしていて始め出てきた瞬間のツンとした彼女とは別人のようでした。が、ジェニファーは見た目の綺麗さだけが先行している感じ。
彼女の役の過去の関して深く掘り下げなかったことも、海外版の失敗。
あれでは主役二人が打ち解けていく過程が曖昧になる気が。
代わりに夫婦間の愛情部分がすごく色濃かったですけど(笑)あれは日本版じゃありえない。
この部分のロマンティックさを優先させたのが海外版てことでしょうか。
これはやはり濃厚なラブシーンが自然に見える欧米人とやっぱりどこか恥ずかしさが漂う日本人との感覚とか文化の違いなんだなぁと感じます。
その文化の違いに着目して見れば対比してみる面白さはあったかも。
ゲイにすぐ結びついちゃうのもあっちならではですよね。最後にとうとう地が出たうっかりさんもいたし。
あ、一つ凄く残念なところとして、スカート、自分で拾い上げて行っちゃった所が勿体無かったです。あそこはやっぱり男性が拾い上げて隠してあげようとするのがいい。だって滅茶苦茶恥ずかしいですよ、女の立場でもそうですけど、逆に拾い上げる男性の立場も。勇気要りますよ。
だから何気ない場面ですけど私はあそこ好きだったんですよね。
あそこに男性の格好良さを見たから。
んーなんか日本版の良い所ばっかり書き連ねてしまった気がしますが、結構面白かったです。
ほんわかしました。