こころ

こころ (ビッグコミックススペシャル)

こころ (ビッグコミックススペシャル)



書店で一目惚れして購入。
だって榎本ナリコの『こころ』ですよ!?読まないでどうする!くらいの勢いで。
といいつつこの方の本は一冊も持っていない私。
作風は好きなんですけどね、読む時期が悪かったと言うか、兎に角読んだ時期にはこの方の作品を真に楽しめる状況じゃなかったのですよね。
で、今回の本はもう見た瞬間「これは買いだ」と思って、買おうと思ってた恋の門諦めてこっちを購入。
お昼休み中に読破。
私、実は原作の「こころ」、あんまり好きじゃないんです。というか寧ろ嫌いなんです。
なんだよ、この内向きなやつ、って思って。世界が外に向いてない。割と内に内に思考を展開させていくでしょう? 相手の意見に耳を傾けようともしない。
いや、聞いてるのかもしれないけど、結局表層の部分って言うか、全然真芯で受け止めて無い感じがする。
どうせ他人に自分の事は理解出来ない、っていえばそれは確かにそうなんだけども、じゃあ、少しでも色々な所で触れ合って意思の疎通を図ってみるとか、自分と他人との齟齬をなんとかしようとする努力したっていいんじゃねぇの、みたいな。
自分で書いてて意味分からなくなってりゃ世話無いんですが、そんな事を考えつつ読んでたら、非常に嫌な感じで終わったので(多分。あんまり嫌だったという事しか印象に残ってないのでちっとも再読してません)、自分の中にもしこりを作った作品なんですよね。
さて、今回のこの漫画は現代風に若干アレンジしてあるものの大筋は同じ。(だと思う)
けれど、原作ほど嫌な読後感はありませんでした。
先が気になるのは気になる終わり方ではあるんですけど、こちらの方が若干救いが残されているような気がします。
後ろに進む(若しくはその場に停滞する?)先生の吸引力よりも、前に行こうとする主人公の推進力の方に引っ張られる感じです。
原作に比べてこの作品は前を向いているな、と思ったのです。すごく好印象。
でもどうなんだろう、自分が幼かったから見えなかったこともあるんだろうかとも思うので、また原作を読み返して見たいと思います。


追記。
色々な所を見てみると、どうやら結構終盤の内容は違うみたいですね。すっかり忘れてるなぁ。
ちなみにちゃんと読んだのは若いとか青い(笑)頃じゃなく、幼い頃なので、ホントちゃんと読み直す必要あるかもです。
高校の時、『こころ』を授業でやったのですけど、それも一部分だけで。
一部分をこねくりまわして解釈なんだのっていうより、一冊丸々読ませた方がずっと勉強になると思うんですけどねー。っつか一冊の本の一部分抜き出して、読解力なんだのって、ちょっとどうかと思う。
まぁ基本的にこういうのが望ましい答えなんだろうなってのは分かっても、自分自身の解釈が育たないじゃないですか。登場人物にしたって、一冊通して浮かぶ像と僅かなエピソードで見える姿は違いますものね。
今、学校で『国語』ってどう扱われてるんですかね。
国語って誰かに習うもんじゃないだろーというのが学生時代の自分の考えでしたが、現役学生はどう感じてるのかな。
ってこれ完全にこころの感想から離れてますね。スミマセン。


余談。
Kが出て来た瞬間、
まさか私の脳内アンテナはこれをキャッチしたのか!?
と思ってしまって御免なさい。
KじゃなくてSかJがいいんじゃん?とか言ってごめんなさい。
性格全然違うのに『変な奴』ってトコだけそっくりとか思ってゴメンなさい。
でもSはもう一人のSに似てないなぁとか考えてもっとゴメンナサイ……orz
だってKの第一印象があまりにもあの人っぽかったのだもの。