ローレライ(ネタバレ含)

誕生日割引で新作も半額だったので借りてみました。
レンタルですけど、正直映画見に行かなくて良かったです。
福井作品繋がりで見ました。だからある程度の先入観は有ります。
それを踏まえた上で、この感想は読んで下さいね。


第一印象は「すげーCG映画……」。いや、流石にイージスと比べちゃ悪いですけど!
(あれは自衛隊の協力あってあれだけリアルに出来た訳だし。でも折角の対艦戦闘はちょいショボかった)
ちょっと海を行く潜水艦『伊507』のシーン全体に違和感。
爆発のエフェクトも、妙にゲームっぽいというか。あれ以上の映像は難しいのかなぁ。
スク○ェア(エニと合併する前でも)の方が、いい仕事してるような気が……。
話も、端折り過ぎたんだろうな−という感じがありすぎて、やっぱり『勿体無い』ですね。
全体的に尺が短すぎる。伝えたい事のひとつひとつが、中途半端にしか伝わって来ないです。
話の筋は充分に楽しめる、ある意味イージスよりエンターテインメント向きな話なのに、
それが生きて来ないのはやっぱりエピソードが細切れだからではないかと。
役者に関しては、殆ど文句有りません。
ただ妻夫木さんは、元々割と地味な人だなと思ってたんですけど、
彼は派手な人の間だと完全に埋没してしまいましたね。
役所広司さんの艦長はスゴイ良かった。落ちた所からの再起を図る人ね。人間味溢れてて大好き。
そして柳葉敏郎さんの艦長補佐。この人も好きだ−。
この人何か、自分の中に信念に殉ずる、っていう感じの役がとても似合うと思います。
とても芯が強そうっていうか。人情派タイプなんだろうなぁ。
あと、香椎由宇さんは綺麗でした。この人は真直ぐな瞳が兎に角良い。
あの歌は合成だろうけど綺麗だったし、紅一点という点を除いても割と印象強い人でした。
石黒賢さんはやっぱ愚直な感じが良いなー(笑)ちょっと愚か、ってとこがミソなんですよね。
ただ真直ぐなんじゃなくて、ちょっと方向性斜めってたりすると愛しくなるんですよ。
これが正論吐いてるだけだと、あの濃いめの顔も手伝ってか、どこか鬱陶しくなるんですが(^_^;)
佐藤隆太さんはねぇ、あの最期はちょっとどーかと思いましたよ。結構イイキャラなのに。
なんでこんなところでギャグみたいな死に方すんの?って思いました; 演出に不満。
他に色々エピソードあってあの最期ならそれもまたありかと思うんですが、
彼の人間性についてのエピソードって、元特攻隊だって事とブッキーと同じ部隊だったって事くらい。
彼自身のキャラも手伝って、明るい気の良いやつ、ってのは分かったんですけどね;
あの最期はちょっと酷いと思います。あそこまでのエピソードで彼に感情移入するのは正直無理です。
妻夫木さん……悪いとかじゃなくて、埋もれちゃったんですよ。
なんか全然存在感無い;パウラよりも無い。
パウラの保護者、ていう感じのポジションにだけスポッて収まってしまって、
そこの位置から碌に動いてくれなかったんですね。
政府の動向とか冒頭部分を少しでも削って、艦内でのエピをもう少しで良いから増やして欲しかったです。
パウラに対するクルーの感情の動きも、おおまかにしか解らないし、
あれよあれよで、艦長達は目標を見つけてしまって、視聴者おいてけぼりで話が進む感じ。
最後のテニアン島の戦闘に突入しても、手に汗握る展開の筈なのに、
それまでの流れで既にややおいてけぼりにされているので、息を飲む程のめり込めない。
勝利しても一緒に感じる事が出来るカタルシスが無い、というか。
やっぱり尺の問題だろうなぁ。だからせめてもうちょっと脚本考えて欲しかった気もします。
んー勿体無い。星つけるなら2、5。かな、ちょっと厳しめです。
イージスも勿体無いと感じたけれど、こっちは寧ろ映画にするのに無理が有り過ぎました。