種&デス種に課せられるもの

農道にぽつんと建つ「ガンダム石碑」の謎
前作(無印種)を見ていた時に、私はこの監督は演出が下手だと言いました。
その理由の大部分が死の描写に関してでした。
人の心の描写に関しても言えますが、上記のは、タチが悪いと思ったんですよね。
前作では人が沢山死にました。今作もそうですが、兎に角その描写が残酷だと思いました。
死というものはそれ自体が衝撃なんですよね。
その死を殊更に過剰に演出する必要は無いと思います。
『人の死』、それだけで何かを視聴者に感じさせる事が出来ないのは、それは完全な監督の力量不足です。
脚本が悪いのだとしても、それを書かせているのはやはり監督なのですから、責任は重大です。
上記の石碑、ガンダム絡みだった為に『ネタ』カテゴリに入れました。
が、実際には、ネタと呼ぶのも躊躇われる内容でした。
石碑に書かれていた短歌は

ガンダムのテレビに見入る児は六才 戦死とは何ぞ我に問いたり」

というもの。
実際に聞かれたおばあちゃんは、きっと言葉を詰まらせた事でしょう。
本当に今更で、当り前の事なんですけれど、『戦争』という題材にはとても繊細な心遣いが必要だと感じましたね。
面白半分で書くものではないのは当然の事。
日本には戦争を経験した先人達が、そして諸外国には今まさに戦争で苦しんでいる人達が居る。
それを作り手も、見る側も忘れちゃいかんよなぁと。
今のデス種って、私にとってはロボット物とも戦争物ともしがたいです。
そう簡単にカテゴライズ出来ないものという意味ではありません。
全てにおいて描写が希薄でどっちつかずという事です。
敢えて言うなら『キャラアニメ』『萌えアニメ』としか。
成功の方法は分からずとも失敗する方法は物語全体を見て理解出来ますが、そういうのが目的のアニメではないでしょう?
戦争を渾沌化させていくもの達を描いていくのだったら、その点を突き詰めれば良い事ですしね。
物語の目指す所すら曖昧模糊、故に最終回が読めないというのも皮肉な話ですね。


さてこの記事、トラックバックして頂いたこちらで拝見して知ったのですが、
そこにあのキラ様の早口台詞の全文が……!!
調べる必要が無くなくなったー。
2分で覚えて3分練習。8秒有れば一息で全文言えるようになりました。
ただ、言うだけなら簡単なんですよね。
これでリップもマイク吹く事もなしに、拾える音で『意味をちゃんと言う』のが大変なんだろうなぁ。
やっぱプロだわーと感じました。